- 「FXって24時間取引できるけど、どの時間帯でも値動きとか稼ぎやすさは変わらないのかな・・・」
- 「東京市場とかニューヨーク市場とかあるけど、それぞれどの時間帯なんだろう・・・」
- 「取引しない方が良い時間帯とか曜日ってあるのかな・・・」
この記事を読まれている方の多くはこのような悩みを抱えているのではないでしょうか。
FXは平日の24時間取引できますが、取引時間帯によって利益の稼ぎやすさが変わります。
世界の主要な市場が開いている時間ほど活発に取引が行われるため、値動きが大きくなる上セオリー通りに値動きしやすいからです。
この記事では3大マーケットそれぞれの値動きの癖や特徴、おすすめ通貨ペアをご紹介し、反対にFX取引を控えたい危ない時間帯もお伝えしていきます。
- 取引量が多く値動きがきちんとある時間帯で取引をするのがオススメ
- FXは平日であれば24時間どこかしらの市場が空いているが、中でも日本市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場で取引量が多い
- 日本市場は8:00~16:30、ロンドン市場は16:00~2:00、ニューヨーク市場は21:00~6:00
- 特に21:00~2:00のロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯は1日の中で最も値動きが大きくなりやすい
- 市場が揺らぎやすい、重要な経済指標が発表される時間帯や金曜の深夜等は取引を避けた方が良い
FXのおすすめ取引時間は?
値動きが激しい東京市場・ニューヨーク市場・ロンドン市場の時間帯がオススメ
FXは土日を除き、24時間取引が行えますが、その背景には”世界のどこかしらの市場が開いている”という事情があります。
数多にある市場の中でも、「東京市場」「ニューヨーク市場」「ロンドン市場」が三大市場と呼ばれており、各市場が開いている時間帯は取引が活発に行われているため、ボラティリティが高く取引チャンスが多くオススメです。
3大市場が開いている時間帯は?夏と冬で時間が1時間ズレる点は要注意
また、3大市場が開いている時間帯は以下の通りです。北米やヨーロッパの国々ではサマータイム制というものがあり、夏と冬で時間が1時間ずれるため、頭の片隅に入れておきましょう。
市場 | 夏時間 3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで | 冬時間 11月第1日曜日から3月の第2日曜日まで |
---|---|---|
東京市場 | 8:00~16:30 | 7:00~16:30 |
ロンドン市場 | 16:00~2:00 | 17:00~3:00 |
ニューヨーク市場 | 21:00~6:00 | 22:00~7:00 |
また、FX会社はシステムメンテナンスを基本的に土日で行っていますが、夏時間と冬時間で時間が多少ズレることもあるため、こちらも併せて覚えてておくと良いでしょう。
最も市場の値動きが活発になるのはニューヨーク市場とロンドン市場が重なる21時~2時
3大市場の中でも最も値動きが活発になるのはロンドン市場ですが、その中でもニューヨーク市場と重なる21時から2時までの間は、ゴールデンタイムとも呼ばれ、値動きが最も大きいため取引チャンスが多く生まれます。
FXの3大市場「東京市場」「ニューヨーク市場」「ロンドン市場」の特徴と傾向
- 東京市場
- ロンドン市場
- ニューヨーク市場
東京市場
東京市場は午前8時から午後16時半(夏時間)に開いており、日本円や豪ドル、オセアニア関連、アジア関連の通貨が動きやすい傾向にあります。
ドル円チャートが前日のニューヨーク市場の動向や当日の株式市場の影響を受けやすい特徴があるため、トレンドの傾向が読みやすいとも言えます。
また、仲値が決まる9時55分まではドル円を中心に値動きが活発であり高いボラティリティが見込めます。一方で10時以降は値動きが緩やかになり、特にユーロやポンド等の欧州通貨の値動きはほとんどありません。
そのため、東京市場で取引する際は基本的に8:00~9:55までの間で行うと良いでしょう。
5と10の付く”ゴトーの日”はドル買いによってドル円が上がりやすい傾向にある
また、東京市場ならではのトレード手法に「ゴトー日トレード」というものがあります。
ゴトー日は5と10がつく日のこと。この日は企業の決済日が多く、取引先にドルを支払うためにドル買いが殺到し、ドル円価格が上昇しやすい傾向にあります。
つまり、ゴトー日+仲直決定直前は高確率でドル高になりやすいのです。
下図は2023年1月20日の9時〜10時前後のドル円5分足チャートです。
出典:TradingView「ドル円5分足チャート」
7時に市場が開いてから10時の仲直発表まで順調に上昇トレンドを描いているのが分かります。
ゴトー日だからと言って必ずしも上昇する訳ではありませんが、こうした相場の傾向を知りさまざまな手法を組み合わせることでFX取引の勝率を上げることができます。
ロンドン市場(欧州ヨーロッパ市場)
ロンドン市場は午後4時から午前2時(夏時間)に開いており、1日の中で最も取引量が多い市場です。中でも先述の通りニューヨーク市場と重なる午後9時から午前2時はボラティリティが最高値になることも多くあります。
ロンドン市場では主要通貨であるユーロ(EUR)・ポンド(GBP)・ドル(USD)のどこの通貨が主導権でトレンド形成をしているのかを見極められるとトレードがしやすくなります。
日本時間のトレンドをそのまま継承する訳では無く市況がガラッと変わることも多々ある
日本時間の次に開く市場ですが、日本時間の値動きをそのまま継承する訳ではありません。ロンドン時間が始まる16時前後には値動きの流れが変わる傾向があり、注意が必要です。
下図は2023年1月25日の16時前後のユーロ円チャートです。
出典:TradingView「ユーロ円15分足チャート」
日本時間では上昇トレンドを形成していたユーロ円チャートですが、16時をきっかけに下降トレンドに転換しています。
日本時間の値動きの方向性が真逆に転換する可能性もあり、ロンドン時間は市場またぎをなるべく避けたい時間帯です。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場は午後9時~午前6時(夏時間)に開いており、ロンドン市場に次いで2番目に大きな市場です。
ニューヨーク市場が開く午後21時には、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500がロンドン市場の時間帯で既に動ききってしまっている場合も多く、基本的にはロンドン市場の動向を引継ぎやすい傾向があるのも特徴です。
また、基本的に日経平均の動向についても日本独自のイベントが発生している時以外は、ボラティリティは違えどニューヨーク市場のトレンドに同期されるため注意しましょう。
経済大国アメリカの経済指標は相場に大きな変動をもたらす
アメリカの重要経済指標の発表などもあり短時間で大きく値動きすることもあります。
2023年2月3日22時30分、米国雇用統計の発表直後にはドル円価格が30分のうちに1円超上昇しました。
出典:TradingView「ドル円1時間足チャート」
市場予想よりも雇用統計の結果が好調だったことがサプライズとなり、急速なドル買いが進んだ結果です。
このように米国の重要経済指標前後に大きく値動きするなどの特徴があるため、よほど確信的な読みが無い限りは経済指標時のトレードは避けた方が良いでしょう。
FXをやってはいけない時間帯は?
取引時間帯によって値動きに特徴があり、トレードにおすすめの時間もあれば逆にトレードを避けたほうがいい時間帯もあります。
ここでは4つの危険な時間帯をご紹介します。
- 毎週金曜日の取引
- クリスマス・正月など、市場が休暇になる時間帯
- 経済指標の発表前
- 日本時間で早朝6時〜7時頃の時間帯
毎週金曜日の取引
金曜日は取引量が減りやすく、思わぬ急変動が起こりやすいため取引は避けた方が賢明です。
そもそも金曜日に取引量が減るのは週またぎを嫌う投資家が多いからです。
週末は市場が閉まっていて取引できませんが、相場を動かすような政治経済ニュースや金融ショック、テロの発生などは週末でも関係なく起こります。
仮に週末に事件が起きると月曜日の市場オープン時に一斉に売り注文が殺到し、相場は大暴落に陥ることになります。
もし週末も市場が空いていればすぐに逃げられますが、月曜日のオープン時間まで待つ必要があり多くの投資家が我先にとポジションを投げるため逃げようがないのです。
また、金曜日には米国雇用統計などの重要指標発表も重なります。
取引量が減ったり、指標発表による相場急変動リスクのある金曜日は取引を避けた方が安全です。
クリスマス・正月など、市場が休暇になる時間帯
クリスマスなどの市場休暇期間は取引参加者が減るため、ボラリティが落ちるだけでなく、大口注文による影響が生じやすくなり、急激な値動きになりやすいため特に注意が必要です。
過去にはフラッシュクラッシュと呼ばれる現象も発生し、多額の借金を追うトレーダーも発生しています。
2019年1月3日日本時間の朝7時30分ころ、日本ではお正月休みの最中わずか数分の間にドル円価格が1ドル108円台後半から105円割れへと約4円幅の急落をしました。そしてその後何事もなかったかのようにたった数分で元の価格へと値を戻しています。
取引量が少ないと誰も予期できないような突然の急変動が起こる可能性があります。
世界的に共通している長期休暇のタイミングであるクリスマスや正月は、特に取引を控えることをおすすめします。
経済指標の発表前
経済指標発表の前に取引を始めると、相場の急変動によって思わぬ損失を出す可能性があるため注意しましょう。
市場参加者は指標の結果を見て国の景気や経済状況を判断します。金融・経済の状況は直接的にその国の通貨の価値を左右するため、指標の結果次第で為替相場は上にも下にも急変動することがあります。
特に週末のFX取引ができない時に発表された経済指標の影響は、翌月曜日の最初に開くシドニー市場、ウェリントン市場で一気に解放されることになります。
7時〜8時台のFX取引には十分に注意しましょう。
日本時間で早朝6時〜7時頃の時間帯
日本時間の早朝6時〜7時頃は大きなマーケットが閉まっているため、取引量が少なく取引の流動性が低いです。
すると相場急変の可能性が高くなり、スプレッドも広がりやすい傾向にあります。
リアルタイムスプレッドを確認せずに取引開始してしまうと、エントリー直後にいきなり高額な含み損を抱えることになります。
朝の通勤時間が早い方はなんとなく早朝にFX取引をしてしまいがちですが、思わぬリスクが潜んでいるためなるべく早朝時間帯は避けたいところです。
【通貨別】取引が成功しやすい時間帯は?
時間帯によって開いている市場が異なるため、当然ながら取引が活発になる通貨も変わります。
そこで、通貨ペア別におすすめの取引時間帯を見ていきましょう。
米国ドルのペア通貨 | 21:00~23:00 |
---|---|
ユーロ・ポンドのペア通貨 | 16:00~17:00 |
日本円のペア通貨 | 7:00~9:00 |
ドル関連(ドルストレート)の通貨【21~23時】
米ドルを基軸とした通貨ペアであるドルストレート銘柄は、ニューヨーク市場がオープンする21時からピークとなる23時の時間帯の取引がおすすめです。
ニューヨーク市場ではアメリカ勢が中心となり取引が行われます。
特に世界で最も取引の多いユーロドルや2番目に取引の多いドル円が狙い目です。
日中仕事などで取引ができない方は就寝前のこの時間に狙いを絞って効率よく利益を狙うと良いでしょう。
ニューヨーク市場の時間帯にはアメリカの重要経済指標の発表が行われることもあるため、前後の急激な値動きには注意が必要です。
欧州の通貨【16時】
ヨーロッパの通貨は16時のロンドン市場オープン前後が最も値動きが活発です。
特にユーロ円やポンド円はロンドン市場の時間帯に活発に値動きするため狙い目です。
ロンドン市場を狙った取引のポイントは16時を過ぎてから取引を開始すること。
ロンドン市場のオープン時は16時以前の値動きから雰囲気が一変することも少なくありません。
それまで順調に含み益が乗っていても突然逆行して含み損に転換することもあり得ます。値動きが怪しければ早めに利益確定しておくことも視野に入れておきましょう。
円関連(クロス円)の通貨【7~9時】
日本円との通貨ペアであるクロス円は日本時間の朝7時から9時あたりの取引がおすすめです。
7時〜8時にオーストラリア・ニュージーランド市場がオープン、その後9時に東京市場がオープンします。
通勤時間の7時〜8時はオーストラリア円やニュージーランド円、9時からはドル円の取引が狙い目です。
5と10がつくゴトー日の日は企業が決済する日になりやすく、取引先に支払うドルを確保するためにドル買いが活発になることから、ドル高・円安になりやすいといわれています。
この傾向を利用してゴトー日を狙ったドル円トレード手法を採用しているトレーダーもいます。
FXの取引時間についてよくある質問
- Q.FX市場は金曜日の何時まで取引できる?
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FX市場が金曜日の何時まで取引できるかは、FX会社によって異なります。
業界最大手のGMOクリック証券では夏と冬で以下の取引時間になっています。
GMOクリック証券の取引時間例 サマータイム(3月第2日曜日~11月第1日曜日) 日本時間月曜午前7:00~金曜翌朝6:00 米国標準時間(11月第1日曜日~3月第2日曜日) 日本時間月曜午前7:00~金曜翌朝7:00 金曜日の翌朝6時または7時まで取引可能です。
- 月曜日は何時からFX取引が始まる?
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FXは月曜日は朝7時から取引開始です。
ただし、月曜日の早朝はスプレッドが開きやすいため、変動スプレッドを採用しているFX会社の場合は注意しましょう。
リアルタイムスプレッドを確認してから取引することをおすすめします。
- FXのゴールドの取引時間は決まっている?
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FXのゴールドの取引時間はFX通貨ペアとは異なる場合があります。
業界最大手のGMOクリック証券では以下のような取引時間が設定されています。
GMOクリック証券のゴールド取引時間例 サマータイム(3月第2日曜日~11月第1日曜日) 日本時間月曜午前7:00~金曜翌朝6:00 米国標準時間(11月第1日曜日~3月第2日曜日) 日本時間月曜午前8:00~金曜翌朝7:00 米国標準時間では月曜日の開場時間が為替取引よりも1時間遅くなるため注意しましょう。