ショートが留まるとかロングが跳ねるとか、専門用語がよくわからない
FX相場について詳しく知りたい!
このような疑問や思いを抱えていませんか?
FXの世界は専門用語も多く、その全てを完璧に理解しようとするのは至難の業です。
しかし、何も知らないままに取引に参加するのはヘルメットなしでバイクに乗るようなもの。非常に危険です。
- FXにおいてショートとは何か
- 売りポジションや買いポジションが溜まるタイミング
- 相場が動く原理
この記事では上記のテーマについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、ロングやショートといった専門用語はもちろん為替相場が動くメカニズムについて基礎的な知識を理解できます。
取引に参加しているトレーダーの集団心理を理解できるようになれば、FXで安定的に成果を上げられます。
ぜひ最後までお読みください。
FXではショートが売り・ロングが買いを意味する
FXの世界では、ショートが売りでロングが買いを意味することは常識です。
しかし、なぜこのような読み方をするのかについては諸説あります。
ここでは、ショートとロングという言葉が使われるようになった由来を2つ紹介します。
詳しく見ていきましょう。
ショートが売りを意味するのはなぜ?
FXにおける売りは空売りを意味します。
空売りとは、持っていないものを借りて売ることを指す言葉です。
手元にないもの、つまり不足している状態にあります。
ショートは英単語に直すとshortです。
shortは短いという意味に加え、不足を意味する言葉です。
つまり、持っていないものを借りて売ると不足した状態になることから、ショートは売りを意味するようになったという説があります。
そして、ショートの反対意味を持つロングが「買い」という意味で使われるようになりました。
売りポジションと買いポジションの保有期間の違いから
ショートが売りという意味を持つようになったもう1つの由来は、ポジションの保有時間です。
FXに限らず、先物取引の相場は少しずつ上昇して一気に下降する傾向があります。
つまり、相場全体が上目線のときに保有している買いポジションは長く保有しがちです。
一方、下落トレンドは一気に下げることが多いため、売りポジションは短く保有することが多いです。
このポジションの保有時間の違いから、長く保有する買いポジションはロング、短く保有する売りポジションはショートと呼ばれるようになったのです。
FXのショートの仕組みは?なぜ売れるの?
FXでショートをするときは、空売りという取引が行われています。
空売りはFXに特徴的な取引手段です。
空売りについて理解することで、FXの原理的な側面も学べます。
FXの空売りの仕組み
FXにおける空売りとは、所持していない通貨をFX会社から借りて取引に使うことを指します。
例えば、米ドルと日本円のやりとりを考えてみましょう。
買いポジションから入る場合は、日本円を売って米ドルを買います。
次に頃合いを見計らって、米ドルを日本円で買い戻すことで決済します。
この取引の流れは、自然で理解しやすいでしょう。
一方、売りポジションから入る場合は、米ドルを売って日本円を買います。
しかし、米ドルを持っていないためFX会社から米ドルを借りて取引に参加します。
この操作が空売りです。
最後に、日本円で米ドルを買い戻すことで決済完了です。
持っていないものを売るという特殊な取引になるので、基本的な取引の流れはおさえておきましょう。
FXのショートが溜まるとは?
ここでは、ショートが溜まっている相場はどのような環境になっているのかについて解説します。
端的に表現すると、売りポジションがたくさん保有されている状態です。
売りポジションが溜まるとどのようなことが起きるのかを理解することが大切です。
詳しく見ていきましょう。
売りポジションを持っている人が多い状態
ショートが溜まっている状態は、売りポジションがある価格帯でたくさん保有されている状態を表します。
保有されているポジション数が多いと、相場を動かすエネルギー源になります。
なぜなら、保有されたポジションは必ずどこかで決済されるからです。
ポジションを持っている人の多くは、損を抱えることを避けるために同じタイミングで損切ります。
その瞬間、相場は大きな値動きを見せるのです。
同じ価格帯で溜まっているポジションは、相場が大きく動くポテンシャルになっていることを理解しておきましょう。
価格が下がるわけではない
売りポジションが溜まっていることが、価格を下げることに必ずしもつながらないことは理解しておきましょう。
例えば、下落トレンドを形成している最中であれば徐々に売りのポジションが積み増しされている状態です。
そして、トレンドの終わりを示すチャートパターンが形成されると一斉に利確のために売りポジションが決済されます。
このとき、売りの決済は買いであるため価格が跳ね上がります。
ショートポジションが溜まっていく段階では価格は下げていくのに対し、売りポジションが決済されるときは価格を反対方向へ一気に引き戻すのです。
FXのショートが溜まるのはどんなとき?
ここでは、ポジションが溜まる3つの相場を解説します。
相場の特徴的な局面を理解することは、市場の原理を理解することにもつながります。
ポジションが溜まっていくことは、価格変動のエネルギーを蓄えていることと同じです。
FXを理解する上で大切なポイントになるので、しっかり理解していきましょう。
レンジ相場が長く続いているとき
レンジ相場とは、相場の方向性が無い状態を表します。
つまり、大きな値動きが無い相場のことです。
この状態では、損切りされることなく売りと買い両方にポジションが積まれていきます。
レンジ相場で積まれたポジションはトレンドを形成するエネルギー源です。
レンジ相場を上か下にブレイクした瞬間、片方のポジションの損切りが発生します。
この損切りがトレンドの出発点となり、溜まっていたポジションが多ければ多いほど強い波動を形成します。
上昇トレンドが続いているとき
トレンドが続いているときは、一方向にポジションが溜まっていきます。
ここでは、上昇トレンドを例に挙げて説明します。
トレンド相場は規則的な波形を描きながら、押し目で買いポジションが積まれていきます。
つまり、上昇トレンドが続いていく限り、買いポジションは蓄積するのです。
もちろん、下落トレンドの場合は売りポジションが積まれていきます。
このとき溜ったポジションは、トレンドが終了してブレイクしたときに価格を引き戻すエネルギー源になります。
チャートパターンのブレイク前
トレンドの終わりを意識させるチャートパターンが現れ、ブレイクする直前もポジションが積まれやすいです。
チャートパターンがブレイクした瞬間に、トレンド相場で溜まったポジションが一気に利確されます。
このタイミングで、形成されたトレンドから引き戻される方向に大きく値が動くことが予想されます。
つまり、チャートパターンをブレイクした瞬間は値動きの予想が比較的立ちやすいタイミングになるのです。
予想しやすいタイミングは、FXではエントリーポイントになるため、新たなポジションも積まれます。
このように、トレンドの転換点も新たなポジションが積まれやすいポイントになるのです。
FXのショートが溜まった後の値動きは?
ショートポジションが溜まったときの値動きの仕方について解説します。
結論からいうと、ショートが溜まっているからといって値動きの方向性は決まりません。
ポジションを保有しているトレーダーがどういう意図を持ってポジションを持ったかが大切になります。
ポジションを持った目的によって異なる
ショートポジションが溜まった後の値動きは、トレーダーの意図によって異なることを押さえておきましょう。
例えば、レンジで溜まったショートポジションは上にブレイクした場合は損切りされて解消します。
下にブレイクした場合は、下図のAのように下落トレンドに入ることが多く、さらにショートは積み増されていきます。
そしてトレンド終了時に、ショートポジションは利益確定によって解消されるのです。
つまり、ショートが溜まったからといってその後の相場の方向性は誰にもわかりません。
結論、ポジションがどういう意図をもって保有されているかを理解することが大切です。
下落するときは一気に下がる
一般的に上昇トレンドよりも、下落トレンドの方が値動きのスピードが速い傾向があります。
その理由は、人間の深層心理としてリスクを避けようとする欲求が強いからです
視覚的にもチャートが下に落ちているのを見ると、危機感をあおられます。
この危機感が「損をしたくない」という生存欲求に直接訴えかけるため、上昇トレンドよりも下落トレンドの方が素早く価格が推移します。
FXはショートのみで稼げる?
結論からいうと、ショートポジションのみで稼ぐことは可能です。
しかし、それを実現するには相場環境を正しく認識する力が必要になります。
ショートだけで稼ぐのに必要な力や、抱えるリスクの大きさについて詳しく見ていきましょう。
稼げるときは短時間で稼げる
為替相場は上昇トレンドよりも下落トレンドの方が、速く大きく変動します。
そのため、短期的に利益を上げたい場合は下落トレンドの始まりを見極めてショートポジションをとると良いでしょう。
上昇トレンドの転換点や、長いレンジ相場が下に抜けたタイミングで下落トレンドが形成されやすいです。
下落トレンドは価格変動が急であるため、大きな利益をあげやすい反面、含み損を抱えやすい局面でもあります。
ショートのみで稼ぐのは、ハイリスクハイリターンな取引になることをおさえておきましょう。
トレンドの転換期の見極めが難しい
トレンドの転換点の見極めができれば、FXで成果を出せるようになるでしょう。
つまり、相場環境の転換点を見極めるのは非常に難易度が高いことだといえます。
一般的には、トレンドの終わりを告げるチャートパターンがブレイクした後に、次の局面に移り変わることが多いです。
とはいえ、100%定石通りに行かないのがFXです。
定石通りにならなかったとき、どのように対応するのかがトレーダーの腕の見せどころです。
FXでショートが留まる時は稼げるチャンス!
ショートポジションに限らず、ポジションが溜まっているときは相場のエネルギーが高まっている状態だといえます。
取引に参加しているトレーダーがポジションを保有している目的や狙いを予想することは、FXをする上で重要なスキルです。
取引に参加しているトレーダーの集団心理を読み解いていく経験をすることが何より大切です。
そのためには、実際に取引に参加して肌感覚で相場を知っていくのが一番の近道です。
デモトレードや小額取引をすることで、コストを抑えつつFX学習に励んでいきましょう。